学び手の学びにコミットしないのであれば教えることなんてやめたほうがいい

研修や講演に呼ばれる機会が増えた。
より多くの子どもたちが過ごしやすい学校づくりや地域づくりに貢献するチャンスをいただけることはとてもありがたい。

「ユニバーサルデザイン授業について研修してください」
「インクルーシブ教育について研修してください」
と言われ、お話することは構わない。

だが、私が話すことで、本当に先生たちの学びに貢献できるのだろうか。
その先にいる子どもたちの学びに貢献できるのだろうか。
せっかく研修をやるのであれば、そこまでコミットしたい。
研修を受ける先生たちは子どもたちにどんな教育をしたいと思っているのか。
どんなことで困っているのか。どんなことを知りたいと思っているのか。

それを明らかにした上で研修を実施し、さらに研修後の先生方の授業の様子・学校の様子を知らない、自分の研修がどこまで役にたったかわからない。

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私の「学び観」。
学び手が一番学ぶときは、その人の学ぶ心に火がついた時。
どうしたら火がつくかは人によって違う。
本質的な学びは自発的に何かに夢中になっている環境でしかおきなくて、誰かにやらされている時には起きない。


私の「教育観」。
学び手が学びに夢中になれる環境をつくって、
その人が学びたいことをサポートすること。
教え手が学び手の「知りたい!」「楽しい!」心にいかに火をつけられるか。
その人の学びにどこまでコミットできるか。
「学び手は常に正しい」
自分の教え方がよかったかよくなかったかは、学び手の反応が教えてくれる。

学び手の学びにコミットしないのであれば、教えることなんてやめたほうがいい。
「できない」ことを学び手のせいにするのであれば教えることなんてやめたほうがいい。

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「教え手」「学び手」
おとな、子ども関係なく。
研修をするとき、私は「教え手」で先生たちが「学び手」。
だから、私は学び手である先生たちの学びにコミットしたい。

研修をする教え手は教えた気になり、
受講している学び手は聞いただけで学んだ気になる。
その後の実践につながらない。
研修をしたことだけが事実としてのこり、その後の先生方の実践にどう活かされたかには誰が責任をもつのだろう。

大学の研究者や研修を実施する人と話すと、
「現場の先生たちはできない」「研修したのに誰も実践してくれない」など聞く。
私はそれは「教え手」である人の責任だと思ってる。

教え手がそこまでコミットしないのであれば、研修なんて実施しないほうがお互いのためじゃないかな。現場に活かされない研修なんて意味ない。

いままでできてたかな。そうでもなかったと思う。
だから私はこれから、もっともっと学び手としっかり向き合うことにした。

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この夏はたくさんの場所で研修や講演をする。

私の役割は参加者であるみなさんの心に火をつけること。
そして参加者の方々が知りたい内容を知れること。考える機会を得られること。私がお伝えする内容や視点を現場で活用できること。

私の心に火をつけたのは、今までであった子どもたち。
子どもに会えば会うほど、自分は学びに没頭していった。
「あの子のことが知りたい」「あの子が生きやすくなる社会をつくりたい」
だからたくさん学んだ。


私がこれからやることは、
子どもたちから得た学びをまた子どもたちに返すこと。


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夏の全国ツアー2015〜ここからすべてがはじまる〜

【東京・阿佐ヶ谷】
7月10日(金)13:00~14:30 (阿佐ヶ谷産業商工会館)
阿佐ヶ谷ママエクスポ☆
「子育てお悩み相談会~発達支援のスペシャリストがお答えします~」
講師:野口 晃菜/ 株式会社LITALICO執行役員/筑波大学大学院博士課程
http://ameblo.jp/asagayamama/entry-12033822084.html

 


【京都大学】
7月25日(土) 13:00~17:00(京都大学)
「インクルーシブ教育を実現するためのアクションプランを考えよう」
基調講演:野口 晃菜/ 株式会社LITALICO執行役員/筑波大学大学院博士課程
パネルディスカッション モデレーター:
武田 緑/ 一般社団法人コアプラス代表理事/京都外国語大学非常勤講師
パネリスト;
上條晴夫先生 東北福祉大学教授 
多賀一郎先生 追手門学院小学校講師
平野智之先生 大阪府立高校教員 
木村彰宏先生 奈良市立小学校講師/認定NPO法人Teach For Japan
http://leaf-school.jp/renkei/post-3.html


【北海道・旭川】
7月29日(水)10:00〜11:30
第37回北海道特別支援教育研究協議会 道北地区研究大会(鷹栖大会)
講 師 株式会社 LITALICO 執行役員 野口 晃菜 氏
演 題 「インクルーシブ教育における特別支援学校の役割~地域全体の子どもの学びを大切にするために~」

【東京・中目黒】
8月8日(土)10:00~17:00
インクルーシブ教育リーダー養成研修
「自分の実践とインクルーシブ教育の理論を結びつける」
http://leaf-school.jp/renkei/post-1.html

【広島】
8月9日(日)16:45〜19:30
広島大学大学院教育学研究科附属特別支援教育実践センターの設置20周年記念講演会・シンポジウム

記念シンポジウム「インクルーシブ教育とソーシャルインクルージョンーこれからの特別支援教育のあり方への提言ー」
【シンポジスト】
Christy Horn氏(米国ネブラスカ大学リンカーン校教育イノベーションセンター長・教育人間科学部教授)
落合 俊郎氏(大和大学教授,広島大学名誉教授,広島大学大学院教育学研究科附属特別支援教育実践センター 前センター長)
齊藤由美子氏(独立行政法人国立特別支援教育総合研究所企画部統括研究員)
野口 晃菜氏(筑波大学大学院人間総合科学研究科博士後期課程,株式会社 LITALICO執行役員)
【指定討論者】
川合 紀宗(広島大学大学院教育学研究科附属特別支援教育実践センター長)

【沖縄・那覇市】
8月16日(日)13:00~16:15
「インクルーシブ教育最前線」
講演:
野口晃菜氏(株式会社LITALICO執行役員/筑波大学大学院博士課程)
仲間知穂氏(NPO法人ADOCproject理事/琉球リハビリテーション学院)
シンポジウム:
大城政之氏(県立島尻特別支援学校 校長)
青木一桂氏(名護特別支援学校教諭)
末広尚希氏(ライオンの子保育教育グループ代表取締役)
野口晃菜氏
仲間知穂氏
http://kokucheese.com/event/index/302123/

【兵庫・神戸】
8月22日(土)10:00~18:00
第2回探求する学習者の会
「どの子も居場所のある授業づくり」
http://kokucheese.com/event/index/292678/


【東京・中目黒】
8月30日(日)13:30~16:30(東京・中目黒)
インクルーシブ教育中級者研修
「行動面に困難さのある子どもへの支援」
http://leaf-school.jp/renkei/post-2.html


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