テクニックに惑わされずに自分の教育観を磨き続ける。

あっという間に夏が過ぎていった。
20代最後の1年もスタートしましたが、相変わらず多動な日々を過ごしています。
先週は高知大学にて特殊教育学会。
初めて自主シンポジウム「インクルーシブ教育システムの構築に向けたスクールワイドな支援の可能性I」を企画。厳しいご意見をたくさんいただき、課題がたくさん発見できた。
ずっと行きたかったお墓参りにも行けた。
いつだって私たちはぎりぎりのところで生きている。

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「インクルーシブ教育と 特別支援教育の違い」のアクセス数がすごいが、
それだけ違いが分かりにくいのだろうと思う。

日本がどう捉えているのかというと、
「共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育システム構築のための特別支援教育の推進」(特特委員会)にもあるように、
「人々の多様なあり方を相互に認め合える全員参加型」の共生社会のために、
インクルーシブ教育が必要で、そのために特別支援教育引き続き推進していきますよって考え。

私の考えは何度も書いているように、
通常教育自体が多様性を認め合える教育に変わらないと
今の通常教育のまま「障害のある子どもも内包しよう」といった方向性ではいつまでたっても本質的に多様性が当然な社会にはならない。
いつまでたっても、「大多数」の子には「大多数用の教育」があって、「障害のある子」は「特別の教育」。そして「特別」な子どもには「特別な専門家」が必要で、「特別」な子どもが増えれば増えるほど特別な専門家も必要になる。

それよりも通常教育自体のキャパを広げて、多様性に応えられるようにしていきたい。
だから、特別支援教育の中で改革を進めるのではなくて、通常教育自体の在り方を見直さなければならないってずっと思っている。

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そんな考えは年々強くなっていて、
「今年は通常教育の研究者や先生方とたくさんコラボする!」と思っていたら、本当にここのこところ「特別支援教育」ではなく「教育全般」の教師教育を研究されている先生方や、通常学級のカリスマ教師の先生方とお会いしたり、ご一緒したりする機会が増えた。

「アルケミスト」にも
「おまえが何かを本当にやりたいと思う時は、その望みは宇宙の魂から生まれたからなのだ。それが地球におけるおまえの使命なのだよ。自分の運命を実現することは、人間の唯一の責任なのだ。おまえが何かを望むときには、宇宙全体が協力して、それをたすけてくれるのだよ」
って書いてあったけど、本当にその通りだと思うくらいにね。

そんな先生方とお話している中で、気づいた。
やっぱり、通常教育も特別支援教育も変わらない部分は変わらない。
もっている教育観や子ども観、スタンスには「通常教育」も「特別支援教育」もない。
おそらく違うのは枝葉にあるテクニックや引き出しの量や中身だけ。

素敵な先生は通常教育の先生だろうが、特別支援教育の先生だろうが、素敵。

ご自身の実践を常に謙虚かつ客観的な視点で振り返り、進化を続けている。学ぶことにどん欲。柔軟。変化を恐れない。
枝葉のテクニックだけに惑わされずに、自分と向き合い自分の土台にある教育観を磨き続けている。磨き続けている人は、「テクニック」として特別支援教育的な手法を習得していらっしゃる。土台を磨かないままテクニックだけやろうとしても、それはやはりなかなかうまくいかない。どんな子どもに対しても土台は同じまま、子どもに合うテクニックは柔軟に変えられる。

通常学級でとっても素敵な実践をされている先生は、特別支援教育では当たり前とされている「アセスメント」がとっても上手。子どもたち一人ひとりの反応を観察している。そしてその反応に対して柔軟に手だてをかえて、PDCAをまわしてる。多角的にアセスメントしていて、持っている引き出しがすごく多い。

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そんな先生方から学ぶことは本当に多い。
私は分析好きだから、「カリスマ」のような先生の実践をもっと言語化して分析して、「良い授業」の要素を解明したいと思っている。
研究者の役割は、「なんとなく」や「感覚」を言語化して分析して、それを解説していくところにもあると思う。
「カリスマ先生」の授業を見に行くツアー、決行かな。
異なる分野の研究者が同じ授業を見て、それぞれの立場から分析するの。とっても楽しそう。

そして「教師教育」に関するお仕事の依頼をいただいたおかげで、新しく学べるテーマができてワクワクしている。ここのところアウトプットばっかりでインプットに枯渇してたから。


本当に宇宙中が味方してくれるなあ。タイミングもすごい。

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